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2015年、世界点字の日に寄せて

視覚障害者はここ200年程、点字を使って読み書きを学んできました。
3×2の6つの触れる点で出来た文字システムで、世界の殆どの言語に於いて文字や数字や記号を表すことが出来ます。
世界中の視覚障害者が生活で本を読み仲間と勉学に励むのに、非常に重要です。
点字は15歳の若き視覚障害者、ルイ・ブライユが、1824年に発明しています。
当時、彼はパリの王立盲青年学校に学んでいました。
他の子どもたちのように本が読みたかった彼は、学び易く再生しやすく使い易い、触って分かる文字を考案しました。

視覚障害学生にとって点字は識字と就職への鍵を握っていますが、著作権法によって、学校が教科書を点字や拡大文字にする際、著作者の許可を得なければなりません。
もし視覚障害者のための例外規定が著作権法に無ければ、本や教材へのアクセスが難しい視覚障害学生が教育を受ける際の障壁になってしまいます。
また、例えばペルーの視覚障害関連団体が作った点字の本を、例えばアルゼンチンの視覚障害者に利用してもらうことができません。
各国それぞれが点字や録音図書を製作しなければならないので、コストも作業もダブってしまいます。
点字の教科書が国境を越えることができれば、コストは軽減される筈です。

WBUは長年に亘り、国際団体や世界知的所有権機関(WIPO)と協力し、世界中の知識に対するこうした障壁を取り除くような条約の制定に取り組んで参りました。
その結果、2013年6月、WIPOの会議で、マラケシュ条約が採択されたのです。

マラケシュ条約は国際的な著作権に関する条約で、20カ国が批准した段階で発効します。
締約国は、視覚障害者やその他印刷物が利用できない人たちが利用できる、例えば点字や録音図書の製作に際し、著作者の許諾を不要とするよう、国内の著作権に関する法律に例外規定を設けることが求められます。
更に条約では、点字図書館や視覚障害者支援団体に対し、点字や録音図書を著作者の許諾無しに国境を越えて利用することを可能にします。

これまでのマラケシュ条約署名国は81カ国に上りますが、批准したのは、インド、エルサルバドル、アラブ首長国連邦、ウルグアイの4カ国だけです。
こうした国々は、条約が視覚障害者にとって如何に重要か理解してくれていることに、WBUとしても謝意を表明します。
けれども、本当に条約が効力を発揮するためには、全ての国が条約に批准し、沢山の本が点字や録音図書として利用できる必要があります。
条約に批准した国だけが、こうした点字や録音図書を視覚障害児のために活用できるのです。
ですから、2015年には、是非、世界各国にこの条約を批准して欲しいのです。
WBUのサイトに、マラケシュ条約関連情報を掲載しています。

今年の世界点字の日、皆さんには是非、各国政府に対し、読書をする権利や全ての人の人権であること、そしてマラケシュ条約を速やかに署名・批准するよう訴えて頂きたいのです。

「世界点字の日」は毎年1月4日、点字を発明したルイ・ブライユの誕生日に併せてお祝いしています。

(翻訳:田畑美智子)


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by welblind | 2015-02-04 18:22 | WBU